12月の活動
2学期の終わりには、インフルエンザの影響で補講もありましたが、冬休みとなり、溜まっていた礼状を筆で書く時間がやっとできました。前後して、R工房では、印や文房具の成型をしながら、本焼き(ガス)と上絵(電気)の窯を焚きました。写真は、施釉した印、本焼きの窯詰めの様子、(上絵の窯の様子は写真を撮り忘れ)、焼き上がった文房具とボタンです。
思いっきり伸び伸びと活動を続けてきた2009年でした。何一つ一人でできることはなく、感謝の気持ちでいっぱいです。
「生涯学習センター」で書道の講師
奈良市杉ヶ町にある 財団法人 奈良市生涯学習財団 「生涯学習センター」では、12月12日(土)、文化庁支援事業 「地域に和紙を広げよう!地域学びリーダー育成講座」 の2回目の講座が行われ、内容は、宇陀和紙の第一人者 福西弘行さんの「紙漉き」の実習でした。私はこの日、その受講生の方々に、交代の時間を利用して書いていただく、書(未来に残すあなたの言葉)の講師をさせていただきました。楽しい作品づくりのお手伝いと理解していたので、遊印として使えそうな自作の陶印など10顆余りを持参しました。思い思いの言葉やイメージに合った印があれば自由に押してみましょう、と声を掛けますと、この辺にこの印がいいかな~と、おまけを選ぶような乗りで活用してくださり、嬉しく思いました。
「未来に残す あなたの言葉」の募集チラシ(PDF形式:323KB)
10月11月の活動
さすがに芸術の秋!です。私も、須磨と松山のギャラリーで作品を展示させていただきました。知人の展覧会も数多くありましたが、すべてに足を運べない状態で、さらに、今年の正倉院展には、光明皇后の「楽毅論」が出ていたことや、興福寺では阿修羅の特別展もあり、地方から奈良を訪れた友人が何人もありました。そんな中、何十年ぶりかで訪れた京都岡崎の「藤井有隣館」と、大好きな「白沙村荘」は、観光地の喧騒から切り取られたような時空、学生時代に立ち返ったような小閑でした。
素焼きの作品の一部です。12月には、上絵もできるでしょう。
和歌を書く
日常の思いを和歌に詠む友人「すずらん」さんの歌に、画は趣味です、という彼女の友人「翠扇」さんが、歌に添った墨彩画を描いてくださっています。歌は、詠んだ本人が書くのが一番いいと何度言っても無理のようで、私が代わりに書くことになりました。変体仮名や草書は使わず、ただ読みやすく、画と一緒に紙面に収まるようにと思って書きました。
これらの作品は、10枚以上あり、彼女の小さなお店「アートセレクトすずらん」で、カレンダーや絵葉書として販売されます。
ギャラリー「リブ・アート」の4人展
愛媛県松山市のギャラリー 「リブ・アート」http://liveart25.exblog.jp:80/12259954/
の企画展 「苔むす秋の仲間たち」に、私の磁印と文房具も展示してくださいました。地元宇和町の苔久さんの、山野草があしらわれた楚々とした苔玉に、村田肇一さんの陶のどうぶつ、箱崎竜平先生のうつわ、私の作品が、広い店内に並び、賑やかで楽しい展覧会となりました。
会期は、11月5日~10日まで、会場は、伊予鉄「松山市駅」からアーケードのあるメインストリート(銀天街)を入ってすぐの所でした。
案内状を出す知人さえいない見知らぬ地ではありましたが、たくさんの方々に作品を見ていただく機会となりました。また、松山市立子規記念博物館などを訪ね、文学の街 松山を肌で感じて、地方でするのもいいものだなと、あわただしく準備したことも忘れて、思ったことでした。
鳴門・徳島の研修旅行
11月7日・8日は、NPO法人 Arts Planet Plan from IGA 恒例の研修旅行でした。今年は、参加者が5名だけの、小回りのきく旅となりました。
鳴門では、大物のカメや寝ロクロで有名な「大谷焼」の窯元、藍草から7色を染めていらっしゃる自然染色研究家 アキヤマセイコ先生の工房を訪ねました。これも藍染めかと思うような斬新な作品をたくさん見せていただき、「柿渋」で染めた麻布に、「沈殿藍」を顔料として、文字を書かせていただくという僥倖に与りました。75歳とは思えないアキヤマ先生の意欲的で誠実な仕事振りに触れ、私もこうありたいと意を強くしました。
2日目は、毎年国内外から3~4名のアーティストを招聘し滞在制作してもらう「アーティスト・イン・レジデンス」を実施してなんと11年目という、徳島県神山町の見学でした。担当の方との交流会、町内に点在する作品を見て回り、高齢化の進む過疎地で、これだけの実績をあげている現代アートプロジェクトが、アートの専門家に頼らず町民の手で行われていることに、大きな感動と敬意を覚えました。この源動力は、この地に根付いているお遍路さんへのお接待文化に行き着くようです。お遍路さんに施しの見返りを求める人はなく、目の前の損得勘定や自他の境地を軽やかに超えていく力が、神山に脈々と息づいている・・・、素晴らしいことですね。
かつての劇場に展示されていた3.6m四方の鉛筆によるドローイングの作品(写真3枚目)と、町全体を借景としたランドアートの作品群が、印象に残りました。
奈良女子大学書道部「学祭展」
キャンバス一面が紅葉で美しい季節に、奈良女子大学の学祭は行われます。今年は、11月1日(日)~3日(火・祝)、書道部は、いつもの学館2階ホールで、書道部員とOGや交流のある学生など、24名の作品を展示しました。裏打ちは上回生が後輩に伝えていく1つの技術でもあり、表装や会場作りも部員達の手で作り上げるものです。
私は、鹿の古代文字を書いた湯呑みと、陶印2顆「牛を桃林之野に放つ」「馬を華山之陽に帰す」を出しました。印の鈕に、牛と馬を載せたくて撰文しましたが、この漢詩の内容は、戦争が前提になっていると気付きました。書は教養が問われますね、ペーパーウエイト位にしか使い道はなさそうです。
「穴窯焼成」中間報告
10月18日の薪割りは、参加者11名で賑やかに行い、ワイヤーのすべてがなくなった時は感激、予定の薪束約500束とたくさんの木っ端の袋ができました。NPO法人 Arts Planet Plan from IGA 陶芸自主活動グループ「粘土カフェ」の穴窯焼成の活動も、一段落です。
自分達の手で割った薪で焼成する穴窯ほど、贅沢で高尚な遊びはないように思います。今後は、薪棚のトタン屋根の設置、窯の修繕、残りの薪の整理などの作業をしながら、3月の窯焚きに備えます。間伐材を有効に再活用できるよう、作陶にも励みたいところです。
須磨寺参道「井筒屋」の3人展
大阪都島「タルホ」での3人展から2ヶ月、同じメンバーで、10月1日(木)~14日(水)まで、神戸市須磨町のアートスペース「西京交易 井筒屋」の企画展が行われました。タイトルは、「秋の陶3人展 /村田肇一・箱崎竜平・田上早百合」です。会場は、山陽電鉄須磨寺駅から須磨寺参道を200メートル歩いた所にあり、須磨寺まで5分、須磨海岸まで20分のちょっとした観光地の一角でした。
村田さんの干支の寅や箱崎先生のコーヒーカップなどと一緒に、私の作品も、銀杏が黄葉した様な黄色の店内に並びました。道路からも一際目を引くこのラッピングされた展示方法は、村田さんがよくお使いになる手法ですが、ディザイナーとしてのセンスはさすがですね、とても楽しい会場となりました。
これからも、常設で少し作品をおいて下さることになりました。どうぞお立ち寄りください。
書道部の合宿
9月22日(火・祝)~24日(木)まで、紀州和歌の浦「双子島荘」で、奈良女子大学書道部の合宿をしました。参加者は18名、3回生がなごやかにリードし、部員たちが夜遅くまで一途に筆を持つ姿が印象的でした。その気力と体力は素晴らしいと思いながら、私は年のせいか先に寝てしまいました。練習している広間やロビーから美しい海と小さな島を眺め、沈む夕日の美しさに感動もし、指導するより学生達から学ぶことの多い、役得に与りました。
「風と土のかたち」展を開催
私が参加しているアート系のNPO法人「 Arts Planet Plan from IGA 」主催の 第6回「風と土のかたち 」展、~アートで、ひろがる交流、つながる心~ が、9月20日(日)~ 27日(日)、伊賀市腰山の矢持地区市民センター(旧矢持小学校)で開催されました。出品者は、伊賀市・名張市の作家の方々、市民センターの陶芸および木工旋盤の同好会の方々、法人の活動にご参加ご協力いただいている作家さんや学生ボランティアさん、そして法人会員など65名、作品は、絵画・彫刻・染織・木工・陶芸など、様々なアートが一堂に展観されました。
伊賀の中山間地を舞台に行われた、この社会実験的な展覧会は、いくつかのメディアにも取り上げられました。会場の様子です。
搬入などの準備で伊賀に2泊滞在中、参加された作家さんや芸大生と歓談し、地元の染織作家さんの工房訪問というおまけ付きでした。また、21日(月・祝)は、有志で薪割りをしました。穴窯焼成の燃料となる薪は、地域の間伐材(赤松)を無償で提供していただいています。伊賀の地ならではの交流で活動は支えられ、広がっていることを実感しています。
私は、書作品「水月」・篆刻作品(月シリーズの陶印6点)・陶芸作品(文房具)を出品しました。また、法人事務局員として、法人活動の1つである「穴窯焼成」の紹介と、看板や掲示物もたくさん書きました。他には何もできません、と言っていい位、今の私が表現できるものの全てです。
8月9月の活動
大阪都島での3人展(8月9日まで)の後は、夏休みらしい時間を持ち、穴窯のある友人の工房を広島に訪ねたり、R工房では、底面積に対して高さのある印の成型と小さな硯を作っていました。そして、2学期が始まりました。
奈良学園郡山校は、今年で創立30周年、この9月から新校舎になりました。書道室は、教室の2辺が総ガラス張りで180度芝生と木々の緑に面した眺め、展示スペースは、作品は離れて見るものと言ったせいか美術館のようです。運のいい、人との出会いに恵まれた人生だとは思っていますが、働く空間まで贅沢になりました。
工房から夜遅く帰る時に見る、8月9月の月は美しく、思いつくままに「月」をテーマに作品を書こうと思いました。「水月」と、気持ちよく書いた一夜漬けの作品は、後で見ると小さく収まった感じが気に入りませんが、「風と土のかたち」展に出すことにしました。3点になったのは、これ!というものが書けていないためです。いつものように期限切れ、急いで表具をしてもらわなければなりませんでした。
今年の春休みに、頼まれて書いた文字が、Tシャツになって、アメリカのコネチカットから届きました。意味がよくわからないまま書いた「あらきとうりよう」です。
「私のしごと館」の 書道教室
夏の終わりの8月30日(日)、関西文化学術研究都市にある 「私のしごと館」ミュージアムホールにて、「~夏休み書道教室~ 夏休みの宿題を仕上げよう 」 の講師をさせていただきました。約20名の児童を対象に、2クール実施されました。
私が書道を始めたのは、この日の参加者と同じ小学1年生だったことや、かつて小さな子供達と一緒に自宅で書道教室をしていたことがあり、楽しくおけいこをした若かりし頃を懐かしく思い、ホームグラウンドに帰ったようでした。何と長い間書道をしてきたことかと、感慨深い一日となりました。
都島「タルホ」の3人展
私が陶芸制作をしている「R工房」主宰の箱崎竜平先生と村田肇一さんは仲のいいお友達で、私は、村田さんの豆々シリーズの陶の動物を、印の飾り(鈕)や硯の摘みに使わせていただいています。お世話になっている両先生のお誘いを受け、モダンな器と、愛らしい陶の動物と一緒に、私の作品も並べてもらいました。会場の壁面は、箱崎先生の掛け皿と、村田さんの動物のシルクスクリーンやコラージュで飾られました。
会場は、大阪の地下鉄谷町線「都島」から徒歩3分のギャラリー・カフェ「タルホ」、会期は、7月29日(水)~8月9日(日)でした。
プロの作家さんに混じって、私の作品は、相変わらず伸び伸び気まま路線から出ることもなく、レベルの違いを感じましたが、今後もやり続けることで、エレガントに成長したいと思ったことが収穫です。
心の甲骨文字のようなハートマークや、水や月をモチーフに、印は、「いろは集」「佳句」「十二支など」「吉語集」とまとめてインスタレーション風に展示、文房具には、篆刻用の二面硯を加えました。
6月7月の活動
6月は、陶印をたくさん作りました。「善」「晴」は料理研究家の土井先生用、「山帰来」は伊賀市の染織家 松永ゆう子さんの工房の名前です。陶板に染付けの表札は、ご夫妻別姓の知人のものです。一番右の写真は、友人の陶芸展のショーカード、たくさん書きました。
印を使っていただいたり、筆文字を活かせる機会があることは、とても嬉しく、有り難いことです。
一学期の授業が終わってすぐ、28日搬入の3人展(大阪都島・タルホ)の作品作りに取り掛かりました。その制作(素焼き・染付け・施釉)の様子です。今回の新作は、篆刻用の二面硯や蓋付きの陶硯など13面、水滴11点、筆置き13点など、陶印は50顆余り…、夢中で作りました。
硯などの厚みのあるものは、急いで乾かすと反るのですが、梅雨時でなかなか乾かず、いつものことながら、取り掛かりの遅いことを反省しました。幸い夏休みのため、時間も忘れ睡眠時間が極端に少ない日もたびたびでしたが、苦にならず、なんとか並べることができました。
2009年度の「粘土カフェ」の活動
制作することと、運営することの両立は難しいとつくづく感じていましたが、今年度も、NPO法人Arts Planet Plan from IGAの事務局として、陶芸自主活動グループ「粘土カフェ」を担当することになりました。話し合いの結果、役割分担の申し出もあり、新体制でスタート、「穴窯焼成」の日程が決まりました。
5月24日、大量の間伐材を法人のアトリエに運び込み、6月21日薪割りを実施しました。
趣旨に賛同され、共に活動してくださる方を募集中です。
6月20日法人発行の「アトリエニュース」より(PDF形式:301KB)
2009年度「粘土カフェの活動案内」(PDF形式:15.4KB)
4月5月の活動
新学期の授業が、4月8日から始まりました。今年度も、週3日の出勤です。
陶芸をしているR工房(奈良市田原)は、お茶畑の広がる静かな山里です。薫風かおる新緑の季節は一段と美しく、清々しい気持ちで制作しています。
ハートのアクセサリーは、友人のやっている「アートセレクトすずらん」委託用に作ったものです。
猿の飾り(鈕)は、村田肇一さんの作品、楽しいコラボです。秀太郎さんは、猿年生まれの方なのでしょう。
日本画家の方から、ちょっと変わった印の依頼を受け、これも勉強かと思い作りました。縁には、桜の花弁をとのこと、語句は「生玉前玉之比売命(いくたまさきたまのひめみこ)」です。直径10㎝の厚みのあるものを急いで作ったため、本焼きでヒビが入ってしまい、石印材を用いて刻しました。変形のため、側款「己丑夏日早百合刀」を上に彫ってみました。
2008年度の穴窯「窯出し」
3月末に焼成した「粘土カフェ」の穴窯の窯出しを、新年度の始まった4月19日に行いました。窯には44名の作品を入れていました。間伐材の運搬、薪割り、窯詰め、窯焚き、そして窯出しの、一連の行事に関わった参加者は、1日だけのボランティアさんを含めると、54名にもなりました。
私の作品は、印盒・水滴・水盂・筆置きなどの文房具20点余りと、平皿1枚、花器・片口・ボタン・アクセサリーなどです。自宅で撮った、今回の作品の一部を紹介します。
箱崎竜平先生の陶展 ~松屋~
4月1日から7日まで、箱崎先生の陶芸展が、松屋銀座店で開催され、私も3日間会場で手伝いました。手ワザを残した轆轤の形態と抽象絵画のような絵付けの、モダンな日常使いの器にファンは多く、テレビでお馴染みの土井善晴さん始め、先生の器を愛用して下さっている料理人の方々など、大勢の来訪者がありました。
先生の成型と絵付けで、私が刻した磁印を、一緒に並べて下さいました。おめでたい語句や「未央(いまだなかばならず)」「歩月(月影をふんで歩く)」など7点、さすがに東京は人出も多く、すべてお買い求めいただき、その反響は、私には驚きでした。
書写検定の朗報
文部科学省後援「硬筆毛筆書写検定」を、奈良女子大学書道部を単独会場として、部員以外の希望者も対象として、毎年6月に実施しています。
昨年は、1級~3級に15名が受験、全員合格という快挙に、一同喜んだことでした。中でも、上田翔太君(高校での教え子で、京都大学法学部在学中)は硬筆・毛筆ともに指導者クラスとされる1級に合格、さらにこの度、平成20年度の優秀者として「連合会会長賞」を受賞し、3月25日、東京のホテルで開催された授賞式に出席してくれました。
それぞれの専門に学ぶ若者たちが、書を愛好してくれることを、私は心から嬉しく思っています。
2008年の穴窯「窯詰め」「窯焚き」
NPO法人Arts Planet Plan from IGA「粘土カフェ」の今年度の活動も、いよいよクライマックス。3月20日から窯の修繕・あぶりと窯詰めなどに4日間、26日からの窯焚きに6日間、の合宿を行いました。この間の参加者は日帰りの人も含めて総勢38名、多い時は20食以上の賄いをしながら、にぎやかなイベントとなりました。特に窯焚きは、学生ボランティアさん達が夜通し大活躍でした。
間伐材を提供していただき、暑い日も寒風の日も一年がかりで薪割りをしてきた仲間達、作品だけの参加者にも感謝しながら、窯焚きの時は、お仕事の忙しい中差し入れを持って駆け付けてくださった方々や、電話やメールでのエールもあり、多くの皆さんに支えられて働けたことを幸せに思います。
2月3月の活動
頼まれていた印と、箱崎先生とのコラボの印の制作の様子です。右端は、本焼きのために釉薬をかけた状態です。
授業は学期末のため作品作りと成績処理に追われる中、3月末の穴窯焼成のシフト表作りなどの準備も加わり、磁印の制作に充分な時間をかけることができませんでした。先輩諸氏のご批評・アドバイスをいただきたいところです。
3月末の穴窯焼成のために、2月の作陶会などで作った作品です。一部素焼きしたものもありますが、乾燥した状態で窯に入れます。いつもの水滴・印盒・筆置きの他に、花器なども穴窯ではおもしろいかと思い、制作しました。どのように焼けるか、こちらの作品は、窯のご機嫌次第です。右2枚は、窯詰めされた様子です。
3月7日は、奈良情報経理高等専修学校の最後の卒業式でした。昨年度まで、2年生の書道の授業を担当していました。今年最後の卒業生は、わずか18名。お祝に、頼まれていた「蹴道」や旅立つ春に因んだ言葉の色紙をプレゼントしました。左の2枚の写真はその一部、「天下春・きらめく光の中で」「青陽(春の別称)」です。
また、知人の依頼で、Tシャツの背中にプリントされる語句「真心」「成人」など3つの語句を書きました。右の2枚の写真は、いくつか書いた半紙作品です。陶芸ばかりしているの?とよく言われるので、紹介しました。
1月の活動
1月18日は、「粘土カフェ」の定例作陶会でした。素焼きを待つ水滴などと、乾燥中の印盒です。3月の穴窯焼成のための制作です。
R工房では、頼まれていた磁印が3点できました。小篆で「牛歩」「龍昇」、金文で「飛龍」と刻しました。成形と絵付けはすべて箱崎先生、金の牛も箱崎先生の作品、かわいい龍は村田肇一さんの作品です。
嬉しいお便り
見慣れた作品のある、さわやかな書斎の写真が、メールに添付されて届きました。
水滴と筆置きを、私の友達がプレゼントしたようです。書斎の主は、宇宙開発に携わってこられた方で、近年は墨彩画を趣味になさっていらっしゃるそうです。その写真の硯を見て、びっくりしました。白っぽく見える模様は魚脳凍といって、老坑水厳の端渓硯の中でも豪華なものです。このような素敵な文房具と一緒に、私の作品を愛用していただいていることを知り、とても嬉しく思うと同時に、身の引き締まる思いがしています。
井之川さんの穴窯の「窯出し」
1月12日、元旦から窯焚きに参加した井之川陽子さんの穴窯の、窯出しでした。昨年末の窯詰めまでに、このための制作時間が充分取れず、私は小品のみ(水滴7点)入れていました。適度に灰がかかり、無難に焼き上がりました。いかがでしょうか。
研修旅行 ~山代温泉~
1月10日・11日は、NPO法人Arts Planet Plan from IGAの研修旅行でした。雪の降り積もるJR加賀温泉駅に集合し、山中漆器や挽物轆轤の見学、金津創作の森での吹きガラス体験と周辺に点在する美術館などを回りました。私の興味は、九谷焼美術館と魯山人でしたが、研修旅行のよいところは、今回は木工・漆・ガラスなど、一人ではなかなか行かない所を訪ね、専門の異なる方々と交流できることです。
山代は、当時の魯山人が生業としていた刻字看板が多数残り、制作した寓居跡「いろは草庵」が公開されていました。彼が初代須田菁華を通して陶芸と出合った地でもあり、まだ30代の魯山人に思いを馳せました。
井之川さんの穴窯に参加
陶芸仲間 井之川陽子さんのグループの窯焚きのお手伝いから、新年の活動はスタートしました。年末29日18時から焚き始め、私が元旦夜から参加した時には、すでに1200度を超えていました。高い温度をキープしながら順調に一の間の焼成に移り、3日11時終了しました。手馴れたメンバーの方々となごやかながら真剣な作業を共にさせていただき、3月の「粘土カフェ」の穴窯焼成への期待と不安を感じずにはいられませんでした。
謹賀新年
牛歩の如くを理想に思いながらも、慌ただしく丑年を迎えました。昨年4月からは、夫との二人暮らしとなりました。子供達の成長と共に、好きな書と陶芸の活動など、アートの世界の楽しみが広がっています。
年賀状の写真は、昨年10月の個展会場の様子です。