田上早百合ギャラリー

喫茶去       喫茶去

                      「喫茶去」

 「喫茶去」は、「お茶でもどうぞ!」という意味です。わら筆を用い、淡墨で書いた作品です。奈良市の東大寺近くにある表具店「吉川春陽堂」さんが、墨色に合わせて、淡い緑系の茶掛けに仕上げてくださいました。2011年の個展会場の真ん中に飾った一幅です。



「友月交風」「喫茶去」       「友月交風」    「喫茶去」

           「友月交風」        「喫茶去」

 「月を友とし、風と交わる」という風流な言葉は、典故も知れず、好きでよく書く語句です。皿や陶板にも書きました。額装の「喫茶去」の作品共に、半紙縦1/2程度の小品です。



「鹿」「のらりくらり」

「鹿」「のらりくらり」

「鹿」  「鹿」  「のらりくらり」  「のらりくらり」

               「鹿」        「のらりくらり」

 「鹿」の甲骨文字の作品です。2つ目の「鹿」には、背中に「福」の印を押し、「福鹿(禄)」というおめでたい作品にしています。2点共、半紙よりやや幅の狭い小品です。
 「のらりくらり」とは、夫の日常の様子です。腹が立つ程「のらりくらり」ですが、ちょっとうらやましい時もあります。筆に任せ囚われないで書いたつもり、最後の「り」は自然に変体仮名「利」になってしまいました。サイズは、半紙程度の横物と、半紙よりやや小さなものです。



「永」「平常心是道」「水月」          「永」       「平常心是道」       「水月」

                  「永」  「平常心是道」  「水月」

 「永」(とこしえ)は、字形と意味が好きで、お皿などにもよく書く文字です。この作品には、「永」の印を2つ押しています。半紙程度のサイズです。
 「平常心これ道」は、この語句(禅語)が好きな方の依頼で書きました。短冊程の小さな作品です。
 「水」「月」「花」「心」は、よく書く文字です。「水月」は、篆書体の2文字を重ねて書きました。半紙よりやや縦長の大きさです。



「不二」「門を出て行き先まどふ雪見かな」    「不二」               

                            「不二」     「門を出て行き先まどふ雪見かな」

 「不二」(フジ)は、二つとしてない、という意味です。これは、『竹取物語』に富士(フジ)山の語源として出てくる言葉で、不尽(フジン・尽きない)とも音通です。「不」や「二」の画数の少ない単純な字形が好きです。
 「門を出て 行き先まどふ 雪見かな」は、誰の作だったかも、詳しい意味もわかりませんが、何となく味のある俳句だと思います。光景が目に浮かび、雪国育ちの私がそこにいるのです・・・。白いマットに入れました。



  書くことは楽しいin奈良(クリックで拡大)     「大仏書道大会」のチラシ表(クリックで拡大)

「書くことは楽しい」  「大仏書道大会」

 奈良の文化の発展を願うNPO法人「奈良21世紀フォーラム」は、奈良が、墨の産地でもあることから、書のイベント「書くことは楽しい in 奈良」を企画されています。2008年から、この活動に協力しています。2011年からは、「大仏書道大会」という名称となりました。ポスターやチラシの題字を書きました。



本の題字  本の題字      掲示物  掲示物  掲示物

       本の題字               掲示物

 ご近所の宮永さんの出版された本「幸福の鍵」の題字を書きました。元気な私らしい行書より、楷書の方が採用されました。
 講演会などの横8メートル程もある演題の揮毫や、看板・ポスターや掲示物を書くことは、私には、賞状を書くよりはるかに楽しい仕事に思えます。そのときだけでも、筆で書いたものが役に立つ、そのことが嬉しいです。



『万葉集』より「菊の香や 奈良には古き 佛たち」    『万葉集』より「菊の香や 奈良には古き 佛たち」       『万葉集』より「菊の香や 奈良には古き 佛たち」    『万葉集』より「菊の香や 奈良には古き 佛たち」

          『万葉集』より     「菊の香や 奈良には古き 佛たち」

 奈良平城遷都1300年祭の書道のイベント用に、奈良らしい作品をいくつか書きました。甲骨文字「鹿」の周りに、奈良時代を意識して、万葉仮名で『万葉集』を書きました。読みは、「青丹よし 奈良の都は 咲く花の 薫うが如く 今盛りなり 万葉集をかく」です。
 「菊の香や 奈良には古き 仏たち 」のバックに、若草山のようなものを、淡墨で入れました。どちらも、サイズは、半切1/2です。



和   和         和

           「和」                「和」

 禾偏は行書でゆっくり書き出し、旁の「口」は、2重3重に回転しています。陶芸の絵付けのように一気に描く感じです。陶芸の師、箱崎竜平先生の展覧会の壁面に飾ってくださいました。よく合うね、とのことですが、どうでしょう・・・。 半切2/5程度の大きさです。



お茶室     水月   水月   水月

「水月」

 遅くに工房から帰る時など、規則正しく満ち欠けする月に、励まされているように思うことがしばしばでした。3点とも「水月」、水に写った月のイメージを金文などの古い書体で書きました。水は私の心でしょうか。サイズは、半紙の縦1.5倍程のものです。

 



竹刀袋 竹刀袋

万葉集 万葉集

  「至誠力行・奈良学園剣道部」 竹刀袋            「万葉集」より

 非常勤講師として勤めている、奈良学園中・高等学校の剣道部の竹刀袋の文字を依頼されて書きました。校訓の「至誠力行」は六朝風の楷書、「奈良学園剣道部」は隷書です。
 父の好きな万葉集の歌を請われて書きました。父方は古くは宮大工の家系であったことから、墨縄(墨壺と麻糸からなり、大工が直線を引くのに用いた)が詠まれているこの一首を気に留めたようです。扇面に上手く収まった書ではありませんが、表具だけは立派にしてありました。
30×45



かげひなたない心 かげひなたない心

智る喜び創るよろこび 智る喜び創るよろこび

       「かげひなたない心」                「智る喜び創るよろこび」 

 A氏からの依頼で揮毫しました。語句は他に「礼儀」「規律」とあり、3点連作の内の1点です。飾っていただく事務所に合わせて、額装にしました。この言葉は、私も気に入っています。
 葉っぱの版画は、大森智喜君(2007年夏の造形教室参加当時、小学6年生)の作品。弟の創喜君とは、一緒に野焼き(陶芸)をしました。兄弟の名前に想を得て一気に書き、軸装して、プレゼントしました。共に、サイズは半切三分の一です。



源氏物語抄 夢想

         「源氏物語抄」                        「夢想」 

 「源氏物語」の冒頭から「いづれの御時にか 女御 更衣 あまたさぶらひ給ひける中に・・・」です。素敵な折帖を手に入れたので、このような仮名を書いた頃もありました。旧作です。天地250 折帖
 実家の茶室「夢想庵」の看板です。夢想は、ぼんやりするというような意味です。板は、骨董品屋さんで買った長い古木で、切るといい匂いがしましたが、何の木か不明。書体は金文です。450×250

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